半装軌式車輌 Sd.Kfz 251シリーズ

Semi-tracked vehicles Sd.Kfz 251

Sd.Kfz 251の母体となった3t牽引車Sd.Kfz 11の開発はバンザロイドゴリアテ社(後のボルグヴァルト社)において1934年より開始され試作型のHL KL2は同年末に完成した。この車体は3〜5Lの直列6気筒70HPエンジンを車体全部に搭載、自重は6tで操縦席後部に弾薬庫、その後に兵員乗車用の荷室を持つオーソドックスなレイアウトを持っていた。1935年には前部を改修したHL KL3が造られ、1936年に改良型のHL KL4及び最終試作型のHL KL5が完成する。HL KL5は動力関係は以前と同様であったがキャタピラの転輪数が増加し不整地通過能力が向上していた。この型は3t牽引車Sd.Kfz 11として制式採用され1937〜1938年に505両が生産された。
1937年には更に改良されHL KL6となったが、陸軍はこの時点で中型装甲兵車用の基本型としてHL KL6が最適と判断し、これを母体として装甲兵車の開発が始まる。装甲車用ベアシャシはHL KL6pと呼ばれ4.17L6気筒100HPのマイバッハHL42TUKRMエンジンと副変速機付き前進4段後進1段の変速機を持っていた。通常走行は前輪のみによって行われるが、ある程度ステアリングを切り込むと自動的に履帯部の作動装置が作動すると言う高度な走行装置を持っていた。
Sd.Kfz 251の生産は1939年6月より開始され、基本的にはA〜D型に分かれる。A、B型は基本的に同一だが、戦闘室両側面のクラッペがB型では廃止されている。1940年より生産開始されたC型は主に車体前部がリファインされ生産性・防弾性が向上、1943年9月より生産されたD型は一層の簡易化が進められている。A〜C型の生産数は1939年6月〜1943年9月までに約4650両、D型は1943年9月より終戦までに10602両がなされている。

Sd.Kfz 251/1
(中型装甲兵車)

ベーシックモデル。機械化歩兵用の装甲兵車。基本武装はMG34または42が2挺(銃弾2010発)。乗員12名。他に、機械化歩兵の重機関銃分隊用の車両としてMG34または42が3挺を装備した車体もある。

Sd.Kfz 251/1
(中型装甲兵車40式ロケット弾
発射器付き))

俗に「歩兵のスツーカ」と呼ばれた車体で機銃2挺の他に28cmロケット5発、32cmロケット1発用の枠型発射器を装着したもの。乗員7名。

Sd.Kfz 251/1
(中型装甲兵車赤外線探照灯付)
大戦末期に実用化された赤外線探照灯付の車体で同じ装置をつけた戦車に付随する歩兵部隊が使用した。乗員・武装は標準型と同じ。

Sd.Kfz 251/2
(中型装甲兵車迫撃砲搭載)

機械化歩兵の重装備中隊装備車両。8cm34式迫撃砲(砲弾66発)を車内に搭載。砲は外して車外で使用出来る。副武装はMG34または42が1挺。

Sd.Kfz 251/3
(中型装甲無線車)

戦車・機械化部隊用の指揮・通信車で次のの型がある。乗員は7名で武装はMG34または42が2挺(銃弾2010発)。
●FuG8、同5、同4無線器搭載型で戦車部隊と砲兵、師団司令部の連絡用。
 1942年まではフレームアンテナ付き。
●FuG8、同無線器4搭載型で師団司令部と砲兵の連絡用。1942年まではフ
 レームアンテナ付き。
●FuG8、同5無線器搭載型で戦車部隊と師団司令部連絡用。1942年までは
 フレームアンテナ付き。
●FuG7、同1無線器搭載型で地上部隊と空軍の連絡用。
●FuG12、同11、Kdo FuG搭載型で師団、軍団の指揮通信用。フレー
 ムアンテナ付きだが後期型では9mのロッドアンテナ付きとなった。
FuG Tr100mw 無線器 指揮司令用
FuG Tr80mw 無線器 指揮司令用
FuG Tr30mw 無線器 指揮司令用
FuG Tr15Kzw 無線器 指揮司令用

Sd.Kfz 251/4
(IG)
18式75mm歩兵砲の牽引及び弾薬運搬車両。75mm砲弾は120発搭載。武装はMG34が1挺(銃弾1100発)。1942年にSd.Kfz 251/9が生産されるに至り生産停止。

Sd.Kfz 251/5
(中型装甲兵工兵用)
FuG8、同4を搭載した工兵部隊の指揮官用車両。武装はMG34が2挺(銃弾4800発)。1943年に生産中止。また同じ呼称でFuG8、同5搭載の機甲工兵指揮連絡用車両もある。

Sd.Kfz 251/6
(中型装甲指揮車)
FuG11及びFuGTr100mw無線器を搭載した指揮官専用車両で1943年に生産中止。後期型ではFuG19及び12無線器を搭載し、ほぼオールラウンドの通信能力があった。武装はMG34が1挺(銃弾1100発)。乗員8名。

Sd.Kfz 251/7
(中型工兵用装甲車)

機甲工兵専用車両で車体両側に木製ラックを装着し、その中に工作機械、またその上部に小型の戦車橋を搭載。武装はMG34または42が2挺(銃弾4800発)の他、対戦車銃PzB39を1挺常備。他に地雷も搭載した。乗員7〜8名。一部の車両はFuG5を搭載し指揮用に使用されている。

Sd.Kfz 251/8
(中型装甲病院車)

機甲部隊の衛生隊車両。車内に担架2台を常備し傷病兵ごと収容、また負傷兵4名が座るシートも持っていた。一部の車両は車体側面に水タンクを、また本部付き車両はFuG5無線器を装備していた。乗員3名。武装は無し。

Sd.Kfz 251/9
(中型装甲兵車7.5cm砲搭載)

旧式化した4号戦車の24口径7.5cm砲K51(KwK37とほぼ同じ)を搭載した車体。1942年6月に試作車両が完成し2両が東部戦線に送られ実戦テストを受けたが非常に好評だった為150両の生産命令が出された。1944年には砲の搭載方法を変え収容面積を増大した後期型となった。乗員は3名で7.5cm砲(砲弾52発)のほか、MG34または42機銃を2挺(2010発)。

Sd.Kfz 251/10
(中型装甲兵車3.7cm
対戦車砲搭載)

機械化歩兵装甲兵車小隊の小隊長用車両。35または36式3.7cm対戦車砲(168発)、対戦車銃PzB39を1挺常備(40発)、MG34または42機銃を1挺(1100発)。乗員は5名。

Sd.Kfz 251/11
(中型装甲電話車)

電話器及び架線設備を備えた通信用車両。野戦電話用ケーブル敷設器は6型と10型の2種があり車両も2種造られた。1942年8月より実戦部隊に配備。

Sd.Kfz 251/12
(中型装甲測距資材車)
砲兵用の測距装置を装備する観測車の一種。乗員6名でFuG8無線器も搭載しフレームアンテナを持つ。1943年に生産中止。

Sd.Kfz 251/13
(中型装甲聴音記録車)

大型の集音器により敵砲兵の所在、兵力を探知する目的で造られた砲兵用車両。1943年生産停止。

Sd.Kfz 251/14
(中型装甲聴音測距車)
Sd.Kfz 251/13と同様に音響による測距装置を搭載した砲兵用車両。1943年生産停止。乗員8名。

Sd.Kfz 251/15
(中型装甲内光測距車)
Sd.Kfz 251/13、14と同様の砲兵用車両。砲の発射火光、炸裂光などから敵砲兵の所在、位置などを探知しようというもの。1943年生産中止。

Sd.Kfz 251/16
(中型火焔放射装甲車)

1943年1月より部隊配備された機甲工兵用車両。14mm口径の火焔放射器2基と機銃2挺が武装であった。放射用燃料は車内に増設されたタンク3個に合計700リットルが搭載されていた。放射器の射程は無風状態で35m前後、二秒ずつ80回の放射が可能であった。初期型では携行式の7mm口径42式火焔放射器1器も常備していた。乗員は5名。

Sd.Kfz 251/17
(中型装甲兵車2cm砲搭載)

2cm軽高射機関砲Flak38(砲弾600発)を搭載した対空用車両。数種類存在するがC型をベースに車体両サイドの装甲板を開閉式にした空軍地上部隊用の車両が最もポピュラーである。2cm軽高射機関砲Flak38が台座ごとそのまま搭載されている。副武装はMG34または42が2挺(銃弾600発)。実戦配備は1943年夏から。末期の251/17はD型の車体に遠隔操作式小型砲塔、2cmKwKを装備。

Sd.Kfz 251/18
(中型装甲観測車)

砲兵用の観測機材を搭載した車両で強力なFuG12無線器を搭載している。1944年より実戦配備されたSd.Kfz 251/5の後継車両。乗員は6名。

Sd.Kfz 251/19
(中型装甲電話中継車)
野戦電話の中継設備を備えた機甲通信隊用の車両。Sd.Kfz 251/11とペアで使用された。

Sd.Kfz 251/20
(中型装甲兵車赤外線探照器搭載)
Sd.Kfz 251/1中型装甲兵車赤外線探照灯付と同じ目的で使用された車両だが大型の探照灯も搭載する。FuG5無線器を搭載した本車に指揮官が乗り同じ赤外線照射器を搭載したV号戦車5両と1組で行動する。終戦までに約60両生産。乗員は4名であった。

Sd.Kfz 251/21
(中型装甲兵車三連MG151搭載)

1944年8月より生産が開始された対空用車両。MG151/15または20mm三連装機関砲を搭載。砲弾は2000発搭載。

Sd.Kfz 251/22
(中型装甲兵車7.5cm40式
対戦車砲搭載)

1944年11月より生産された車両で車輪を外したPak40をそのまま搭載している。砲の作動範囲は上下+22〜-3度、左右が20度で砲弾は22発搭載される。1945年の戦車師団編成では戦車駆逐大隊に9両、機甲偵察大隊に3両等が配備されることになっていた。

Sd.Kfz 251/23
(中型装甲兵車2cm戦車砲搭載)
Sd.Kfz 250/9後期型等と同様に2cm砲付き開放型砲塔を搭載した偵察用車両。38式2cm戦車砲(100発)とMG42(2010発)を搭載し他にFuG12も搭載する。1944年11月に少数生産された。
重  量:7.81t(全備10.5t)(各形式による)
乗  員:2名(各形式による)
武  装:各形式による
装  甲:前面14.5mm(D型は15mm) 側面8mm 後面8mm 上面6mm
エンジン: Maybach HL42TRKM (直列6気筒 排気量4171cc 100HP/2800rpm)
速  度:53km/h(52.5km/hの資料有り)
航続距離:路上300km、路外150km
無  線:型式による
寸  法:全長5800mm×全幅2100mm×高さ1750mm(形式による)
備  考:-

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