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●「司令!絶対優勢です!!」「うむ、そうらしいな」 松山付近の343空(二代目)による1945年3月19日の空戦は日本海軍戦闘機隊の最後を飾るに相応しい大戦果であった。同隊は源田実司令官の元にベテランパイロットが集合し、優れた機器、優れた偵察部隊を使用しアメリカ海軍第58機動部隊艦上機群7個9群のF6F110機、7個戦闘飛行隊のF4U76機、SB2Cが74機、TBMが95機の合計355機(源田実氏によれば300機以上、呉で視認された機数は350機)に空戦を挑み撃墜52機(F6F・F4U合計48機、SB2C4機、他に地上砲火にてF4Uを5機)を撃墜、343空の損害は空戦で15機(16機の資料もある)と地上で5機の損害であったとされる。さらにアメリカ海軍機動部隊の無線で「旗艦の戦闘機隊は全滅せり」との受信もあった。またこの空戦での最高の撃墜数は加藤勝衛上飛曹の9機(編隊単位の空戦であったため未認定)。 大半の書籍には、この戦果が掲載されており、今までアメリカ海軍自体の調査がなされた訳でもないため少なくとも日本国内ではこの大戦果が事実と受け止められていた。この空戦のみならず零式艦上戦闘機の空戦デビューに関しても「27機(または30機)全機撃墜、我が方の損害無し」とか陸軍五式戦の1945年7月25日の八日市付近の空戦でも「F6F10機撃墜、損失2機」など、日本軍発表がそのまま書籍に掲載されている。しかしながら空戦に重複、誤認はつきものであり最近では詳細を調査した書籍が発行されている。343空の実戦果は如何ほどのものであったのだろうか。 当時、呉方面を空襲したアメリカ海軍第58機動部隊艦載機は30個飛行隊31群355機で、このうち343空と空戦を交えたのは「ホーネットのVBF17のF6Fが20機、エセックスのVF83のF6Fが16機、イントレピットのVBF10のF4Uが10機、同じくVF10のF4Uが12機、ベニントンのVMF123のF4Uが15機、ヨークタウンのVF9のF6Fが16機、キャボットのVF29のF6Fが12機、バンカー・ヒルのVMF451(VF84の一部も含む)のF4Uが19機の合計120機」であった。これらのことからこの艦載機群の損失実数と343空の損失実数を比較すれば両軍の戦果は一目瞭然となる。 ●「司令!大半が誤認でした!!」「うむ、そうらしいな」 さて損失の実数であるが、まずアメリカ海軍から
以上14機であるが、内容は被撃墜が8機、不時着水1機、海上落下傘降下1機、着艦後機体廃棄4機。驚くべきことに空戦での343空が確認出来たであろう損失実数は8機(!)となってしまうのである。 日本海軍343空の当日の戦傷・戦死者は・・・・・・・・・・
以上となるが、機体損失は上記した通り空戦で15機(16機の資料もある)と地上で5機の損害。上記表から彩雲偵察機の3名は除いている。 最終結論として空戦自体での戦果はアメリカ海軍が15機、343空が8機となるのであります・・・・・。 続く予定 |
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