スペイン唯一のド級戦艦で、イギリスの技術指導のもとに資材等(主砲、機関も)も同国からの購入により製造されたものであった。しかし構想自体はスペイン海軍独自の考えによるもので、当時既に植民地の大半を失っていたために遠洋での作戦は不必要とし沿岸防御戦艦的な性格とされていた。1番艦「イスパーニャ」は1913年に竣工、2番艦「アルフォンソ13世」は1915年に竣工、3番艦「ハイメ1世」は1912年に着工、1914年に進水したが第一次大戦の為、工事が中断され完成したのは1922年となった。 |
↑1番艦「イスパーニャ」 このクラスは1908年のスペイン海軍再建を目指したフェランディス海軍法案によって計画されたもので小型とは言うものの15000tを超える排水量と12インチ砲8門を備えた比較的強力な戦艦(攻撃力はあったが防御装甲は薄かったが)であった。「イスパーニャ」は1923年8月にモロッコのリフ海岸トレス.フォルカス岬にて難破沈没している。 |
↑2番艦「アルフォンソ13世」 1931年に1923年座礁沈没した「イスパーニャ」の名前を引き継ぎ名前を変更している。1936年におこったスペイン内乱では本艦はフランコ軍に加わっていたが1937年4月にサンタルデル沖で触雷し沈没してしまった。 |
↑3番艦「ハイメ1世」 上記したように第一次大戦のためイギリスからの資材供給が断たれたため1919年まで工事が中断されていた。完成した1922年に至っては既に超ド級戦艦の時代となっていたため時代遅れの戦艦となっていたがモロッコ等の植民地防御には大きな影響を持っていたという。スペイン内乱では人民戦線側に立って参戦したが1937年カルタヘナで爆撃を受け大破し復旧されないままに1939年に解体された。 |
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基準排水量 15452トン |
全 長 459.2ft |
幅 78.8ft |
吃 水 25.5ft |
機 関 15500HP(タービン4軸推進、石炭専焼) |
乗 員 854名 |
速 力 19.5ノット |
兵 装 12インチ砲×8門、4インチ砲×20門、3インチ高射砲×2門 |
備 考 最大装甲8インチ。 |