38cm61式ロケット投射器搭載突撃臼砲ティーガー

38cm RW61 auf Sturmmorser Tiger

潜水艦用に開発された巨大な臼砲(ラインメタル・ボルジクが1940年頃より開発を始めたもので562機材と命名)を搭載した重突撃砲。1943年8月5日に開発命令が出され車台はティーガーIのものを使用することとされ、アルケット社が開発にあたった。1943年10月5日に試作車輌が完成、1944年8〜12月の間に18輛がティーガーIより改装されて完成した。車体は前記のようにティーガーIのものを使用していたが上部が切り取られそこに38cm臼砲を搭載した箱型の戦闘室を搭載すると言う荒っぽい方法が取られている。配備は第1001〜1003突撃臼砲中隊になされ絶望的なドイツ本国の防御戦闘に使用された。


〜追記(2003年6月23日)〜
1998年の「丸」7月号によれば試作1輌にオーベルマイスター・ヘンネにおける生産数17輌を足して総生産が18輌とされているが、38cm臼砲搭載車は10輌、残り8輌はこの突撃臼砲の弾薬運搬車の予定であったとされる。写真は未だ発見されていないので多少の疑問は残るが、38cm砲弾を40発搭載、想定にはなるが当然ながら簡単な改装にて臼砲搭載車両になりうるものであった考えられる。

また配備の状況は1944年末に第1000〜1002臼砲大隊に各4輌の定数で、記録としては同時点で第1000大隊に4輌、第1001大隊に3輌の配備記録がある。

本車は初期、中期、後期生産型と区別できる。初期型は後部にファイフェルと言うエアフィルターを装着したもの、中期型はこれを廃止したもの、後期型は鋼製転輪を最初から装備(初期、中期型も後に転輪のリムに使われていたゴムの磨耗から鋼製に交換)し車体前面のフックかけ上部が抉った形になった3タイプが確認されている。初期型は試作車輌も含み2輌、中期型は5輌、後期型は2輌が確認。また試作型に採用された50mm厚増加装甲版は試作型も含め3輌を確認。


〜追記(2003年11月17日)〜
1995年6月号の「PANZER」誌によれば、生産1号車は1944年9月15日に完成、同21日までに7輌が完成している。9月23日に追加5輌の生産が命じられたが12月末までに18輌分の車体が完成したに過ぎなかったとされている。また1944年夏のワルシャワ蜂起では試作車1輌が投入された。

シューピルベルガー著「ティーガーとその派生車」では18輌のうち1945年2月までに前線に送られたのは16輌のみとしている。弾薬運搬車との比率も不明である。

使用砲弾は4581型榴弾と4529HEAT弾が存在、HEAT弾は使用されておらず図面のみしか存在しないため生産されなかったか、またはかなりの少数生産であった可能性もある。

車体によっては砲身ガス抜き穴の数が違う。また1部には砲の前端に装着されたカウンターウエイトと一体化することでガス抜き穴が1つも無い車体も存在する。また砲身のライフリングの数が違う車両も存在する。

重  量:65t
乗  員:5名
武  装:38cm Stu M RW61 L/5.4×1、7.92mm MG34×1
装  甲:砲塔前面150mm〜一部上面25mm
エンジン:Maybach HL230P45(追記:初期生産型はHL210P45で後に換装された)
速  度:40km/h
航続距離:120km
無  線:FuG5
寸  法:全長6280mm×全幅3570mm×高さ2850mm
備  考:製造はAlkett社


↑戦闘室内。右に見える円柱型のものが砲弾。中央のローラーは砲弾を砲身に誘導するためのもの。ローラーの先に砲身があるが、最大御角(射程4600m)にすると砲身がローラーの下部に移動するために必ず砲身を水平にしないと砲弾を装填できなかった。


↑砲身のクローズアップ。砲身先の細かい孔はロケット噴射のガスを逃がす為のもの。マウント部の切り欠きが大きいのは大仰角(最大で85度)で発射することが多い、この種の砲の性格の為であった。


8.8cm43式2型対戦車砲搭載突撃砲("フェアジナンド"又は"エレファント")

Sturmgeschutz mit 8.8cm Pak43/2 (Sd Kfz 184) "Ferdinand"

ティーガーI型の開発時からヒトラーは71口径8.8cm戦車砲搭載の戦闘車輌についての可能性を模索していたが1942年9月22日になって、その構想は「71口径8.8cm戦車砲搭載」及び「200mm厚の装甲」を持つ突撃砲となって具体化した。試作車輌であったティーガー(P)の車体をもとに早急に開発されることが決定しアルケット社(設計と生産のちに生産中止)とニーベルンゲンヴェルケ社(車台生産のちに全て生産)が共同でそれにあたった。1943年4〜5月までに90輛が完成し東部戦線のクルスクでの夏季攻勢(第653及び654戦車駆逐大隊)に使用され、後に重点戦区に配備。修理後、第653戦車駆逐大隊、第614戦車駆逐中隊に再配備されイタリア戦線で使用された。
本車はクルスク攻勢時に副武装が無かった(1943年末に残存車輌48輛はMG34×2装着)ので歩兵に取り付かれかなりの数が撃破されたと宣伝されているが実際は戦線の突破に成功し、後方の援護がなかった為、遺棄された車輌の方が多かったという(実際に故障も多かった)。また対戦車戦闘では2000mの距離から当時のソ連全戦車の砲塔前面装甲を貫通可能であり稼動さえしていれば200mmの前面装甲と相まって無敵であった。


〜追記(2003年12月7日)〜
本車の呼称については、機銃未装備の生産型をフェルディナント、機銃装備の改修型を
 エレファントと呼ぶことが公式になっている(ドイツ兵器局第6課でも公式に、そう呼んでいた)。

●製造に関してはポルシェ社よりもアルケット社が主導権を握っており、図面も基本的には
 アルケット社が製作している。

●原型のティガー(P)を基本としているもののエンジン位置は(P)の後部搭載方式から前部
 へと移動されている。

●Pak43/2 L/71の弾薬はAPおよびHE合計55発を搭載、現時点で判明している搭載位置
 は戦闘室前部左右に各6発、同じく後部左右に各4発の合計20発で残り35発は正確には不明。

●無線については、FuG5以外に受信専用のFuG2を搭載していたとの資料もある。

●機銃装着時期・台数に関しては1943年9月からで台数は50輌との資料もある。

●本車には重量の観点から専用の回収車輌が開発されており、ベルゲティガー(P)と呼ば
 れていた。生産台数は3輌で、エレファント同様にガソリンエンジン、発電機を車体中央部に
 移動し、その前方に乗員用ハッチを装備、車体後部に小さなキャビンが設けられた。このキャ
 ビンには上面に円形ハッチ、後面にはIV号戦車の砲塔の側面ハッチが装着され、前面右側
 にはポール・マウント式MG34を主武装として装備。また戦闘室直前にはエンジン交換等に
 使用される組立式クレーンが置かれていた。


↑ベルゲティーガー(P)
重  量:65t
乗  員:6名
武  装:88cm Pak43/2 L/71×1、7.92mm MG34×2(改修車輌のみ)
装  甲:砲塔前面200mm〜一部上面30mm
エンジン:Maybach HL120TRM×2
速  度:30km/h
航続距離:150km
無  線:FuG5
寸  法:全長8140mm×全幅3380mm×高さ2970mm
備  考:-


↑1944年7月、イタリア戦線のアメリカ第5軍に捕獲されたフェアジナンド。戦闘室前面に75mm級砲弾の弾痕がみられる。致命傷となったのはこの砲弾の反跳弾の1発が戦闘室直前のベンチレーター部を貫通破壊したことらしい。現在この車輌はアバディーンに展示されている。


↑イタリア戦域で撃破された(航空攻撃?)フェアジナンド。ハッチが取れかかっている孔がエスケープハッチ、小さい孔が薬莢排出孔である。調査中のようで左にアメリカ兵が見える。

陸奥屋 http://www003.upp.so-net.ne.jp/wowow262/

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